ロバートさん、なんで王子のことになるとそんなに不機嫌になっちゃうんだろう。


「王子様、嫌いですか?」

「いや。ただお前の頭の中がお花畑なことでこの先どんなことをやらかすのかと心配でならないだけだ。」


「心配いりません!
それに、私は
優しさと勇気と愛することをいつも
心に留めています。
だから、何かあったとしても、
この心を信じるしかないんです!」



「なるほど。お前のお父さんは大変素晴らしくて尊敬できる方だが、少し夢を与えすぎたな。」



「私はお父さんのこと信じてますから」



「ああ、信じてもらって大いに結構だがな…もう今日は寝ろ。」


ロバートが電気を消す。


「私、シンデレラになりますから」

ティアラを頭に乗せる。


「優しさと勇気と愛すること、
それと学費を払うこと」

おやすみシンデレラ。

嫌味ったらしくロバートが耳元で言う。



バタン。



悔しい!なにも言い返せなかった。


誰だってあんなに近くでささやかれたら動揺して黙りこくるに決まってる。



明日はこんなやり逃げさせない、
と誓った。