「はい、だんだん似てきちゃったんだと思います。性格もです。」
私は苦笑い。
あまり好きでは無い記憶が蘇り、
ため息が出そうになる。
腕の痣をさする。
「そんなに仲が悪かったのか。
まぁ兄弟姉妹というのはどの家も絆があるようで無い。家族と言うには難しい人もいるからな。」
私のようにね。
「ロバートさんのご家族は?」
「俺は10歳まで一緒だったが、
全く記憶が無い。」
ロバートは寂しげな様子もなく言った。
「何でですか?10歳て記憶はありますよね、まだ12年前だし…」
「狭い部屋にずっといた記憶だけはある。でも何故そうなのかは分からなくて、祖母らしい人と居た。学校にも行って無かったし、ずっと本を読んだり絵を描いてたな」
ロバートさんは、裕福だったかもしれない。でも、決して幸せな家庭ではなかったと察した。
ロバートさんも、私と同じように育ってきたのかもしれない。
環境は違うけれど…
「それで、迷子になって拾われたってのは…」
「まっ…!?」
ロバートが突然むせ始めた。