「マリサ・ファブレー」
マリアは名前を読み上げた。
「綺麗な名前…」
名前の横には顔写真も貼ってあった。
とても綺麗。
まるでどこかのお姫様。
「マリサ・ファブレー…
どこかで聞いたような…」
ロバートが考え込んでいるが、
濃い眉が寄せられるだけで、何も出てきそうにない。
「それにしてもマリサとお前は
顔がそっくりだな。
親子ということは間違いないらしい。
…継母はあまり似てない」
ロバートが書類を覗き込み苦笑いする。
どこから顔写真なんて持ってきたんだろうか、この学校。やはり規模が違う。
しかし、目がつり上がりムッとした口元の継母は、本当に似ていない。
当たり前といえば当たり前なのだが。
「しかし、姉は継母っぽいな」