「ろ、ロバートさん!?」
電気をつけたのはロバートだった。
「わんっ!わんっ!」
「よしよし、いい子だ」
ロバートがしゃがみ込み、足元に擦り寄る犬を撫でていた。
「なんで…犬なんか
それ、ロバートさんのですか?」
「ついにバレたな…」
ロバートはため息をついた。
ジャッキーと呼ばれた犬は、のんきに尻尾をフリフリしている。
「追い出されちゃいますよ、その犬!
ここペット禁止なんですから!」
マリアはよく事情も知らないが、
不安に駆られて言った。
「悪い、もうすぐ寮がムーンにグレードアップする予定だった。それで、そこの寮はペットOKだから、今日連れてきた」
寮が変わったらペットを移そうとしていた、という意味だろう。
もう4日めなのだが、選抜1位に対しての報酬はティアラのみだった。
「それで予想外にここにペットを置いておく期間がながくなってしまった、と…」
マリアは納得した様子だった。
「わんっ!わんっ!」
「よしよし、落ち着けジャッキー。
大丈夫だからな。」
ロバートはジャッキーを抱き抱えると、
頰ずりをして可愛がった。
その後もジャッキーとロバートは戯れていた。
「ぷっ」
マリアが吹き出した。
「なんだ?突然気持ち悪りぃな」
ジャッキーとの時間に水を差されたロバートは不服そうだった。
「気持ち悪いのはロバートさんですよ!
ニコニコしながら遊んじゃって」
マリアは声を上げて笑いながら言った。
こんなロバートさんは初めてみる。