翌日、最初の授業はダンスだった。
内容は優雅とは程遠いものだったが。
「今日は筋力トレーニングよ!
みなさん、ダンスの成績は大変優秀でございました。」
選抜には一般女性も参加するので、
上位には一般女性が食い込んできたりしたが、大半はこの学校の生徒が上位を占めた。
「しかし!まだ体幹がない!
それに筋力がない!いいですか、
ダンスはお遊戯ではありません!
スポーツです!筋力が大切なのです!」
先生が熱心に説明しているが、
生徒は大抵欠伸をして瞼を半分下げている。
マリアもあくびは得意だ。
「ふぁーあ」
べしっ!
「いててて…」
「アホかちゃんと聞け」
ロバートの叱咤はいつも通りだった。
朝はとりつかれたみたいに優しかったのに…
「はい!では腹筋から!」
執事も生徒も横になり、状態を曲げた膝にくっつける。
「いち、に、さん、」
2人一緒にやればやる気も0.2位は上がるというものだ。
「ひゃくさん、ひゃくよん」
マリアはロバートの掛け声に合わせて体を起こす。
「ひゃくご、ひゃくろく」
マリアはもう死にそうなくらい汗をかいている。干からびそうだ。
腹の筋肉が笑っている。笑いすぎて
もう力が入らない。
「ひゃくろく、ひゃくろく」
106から進まない。
なんで!?
ロバートがこちらを見ているのに気づいた。
「胸が膝についてない、ノーカウント」
「きぃぃぃいいい!」
声で腹に力を入れる。
「ひゃくろく…ひゃくなな」
やっと進んだ…
そんなスパルタの筋トレを1時間続けて、その時間は終わった。
「ダイアナ、大丈夫だった?」
次の教室へ移動する廊下でダイアナを見かけた。
「あぁ、筋トレ?もうばっちり!
1000は悠に越したわよ」
ダイアナの熱はすっかりさがったらしい。
フリンもいつもの落ち着いた表情でダイアナを見守っていどた。
「そう、よかったわ!じゃあ一緒に行きましょっか」
次は国語。
教室に戻る。
国語か〜ヤダな
どうしても眠くなる。
ロバートに叩かれるのは毎回。
でも今日は運良く見過ごされる可能性、
ありかも!
優しいモードが昨日からたまに混ざるので、次の時間もそうかもしれない、という淡い期待だ。