接待ゴルフ課
†††††††††††
その、なんとも風変わりな『接待ゴルフ課』とはどんな部署なのであろうか?
子豚とひろきが、指定された『接待ゴルフ課』のすぐそばまでやって来た時、ちょうどその中からは、よく揃った掛け声の様なものが聞こえて来た。
「ナイスショットォ♪
…はいっ♪」
「ナイスショットォ♪」
なんとも調子の良さそうな軽いノリの掛け声に、子豚達は、妙な違和感をおぼえた。
「何やってんのかしら…ここの人達…」
「ダメダメ!笑顔はあくまでナチュラルに!はい!もう一回!」
ドアの前に立った子豚達は、まるで合唱団の練習中に割り込んで行くみたいで、ものすごく入りづらかったが、ここは勇気を振り絞って部屋のドアを開けた。
「あのぅ~すいません…」
「はい♪いらっしゃいませ♪」
十数人の社員と合い対して、掛け声の指導をしていた男は、子豚達の方を振り返りニッコリと挨拶をしてきた。
「まあ~素敵な笑顔で♪…私達、今日からお世話になる…」
「何だ、身内の人間か…」
「変わり身が早いわね……」
子豚達が接待ゴルフ課に配属された事を知ると、その男は少し横柄な態度で、自己紹介を始めた。
「私が課長の『四井所玉道(よいしょ たまみち)』という者だ。接待ゴルフ課は厳しいぞ!ビシビシしごいてやるからな!」
「そんなに頑張らなくたって、簡単よ♪わざと負ければいいんでしょ?」
子豚のその言いぐさに、課長の四井所は心外だという顔で、いきなり子豚達に仕事を言いつけた。
「何もわかってないな……よし、君達は明日の接待、私と一緒に来なさい」
.