祭の話が一通り終わると、シチローが呆れた顔で締めくくった。


「なるほどね…それで、来週行われる『秋祭り』の時にスーパーティッシュで作った網を使って、その金魚すくい屋にリベンジしようって考えた訳だ」


これで、すべての事柄の辻褄が合う。


なんの事は無い。産業スパイなどというものは、最初から存在していなかったのだ。


ただ単に、花紙王子製紙の一社員が夏祭りに被った屈辱を晴らす為に、開発中のスーパーティッシュをほんの少しだけ拝借しただけに過ぎない。


「まあ、何にしてもこれで私達の仕事は無事終了ね♪」


子豚は既に、携帯で事務所近くの居酒屋へと打ち上げの宴会の予約を済ませていた。


「あのぅ…それで、私はどうなるんで?…まさかクビなんて事…」


そう言って不安そうに尋ねる祭の肩を叩いて、シチローが答えた。


「まあ…今回の事はしっかり花水部長に報告させて貰うけれど、実際産業スパイでは無かった訳だから…さしずめ、減給3ヶ月ってところだろうな…」


その言葉を聞いて、祭もほっと胸を撫で降ろす。


「それじゃあ~♪あとは祭さんが、あゆみちゃんとスーパーティッシュの網で金魚たくさんすくって、メデタシ♪メデタシだね♪」



おしまい☆














…な訳がない。