祭に銃を突きつけられ、シチロー達に緊張が走った。
薄暗い部屋の中では、勝ち誇ったような祭の高笑いが響いた。
「ハッハッハ♪残念だったな♪
ほら、お前達、三人共おとなしく両手を挙げろ!」
(あれ、三人…?)
(え~と…オイラに、てぃーだに、コブちゃんに…ひろきで四人だよな……)
両手を挙げたシチローが、そんな事を不思議に思っていたその瞬間だった!
いきなり、黒い塊が銃を構えた祭に向かって飛びかかったのだ!
「タァァッ!
『モジモジ君アタック』!」
「うわあっ!
なんだお前!!」
いきなり飛びかかる子豚に対する、祭の驚き様といったらなかった。
なんと祭は、薄暗い部屋で黒い全身タイツを着ていた子豚の存在に、全く気付いていなかったのだった。
正確には、目には映っていても、まさか全身タイツの人間がこの場に居るという事実を、祭の脳が認識していなかったともいえる。
「今だ!かかれ!」
一瞬のスキを突き、シチロー達は一斉に祭に飛びかかり、あっという間にロープで縛り上げてしまった!
「まさか、『全身タイツ』の人間がいるなんて思いもよらなかった…てっきり置物か何かだと…」
「全身タイツが役に立ったね♪コブちゃん♪」
何が幸いするかわからないものである。
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