露呈
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人の気配は無い。
やはり、建物の中は既に祭が去った後のようだ。


「誰もいないな……
それにしても、これは何なんだ?」


小さな窓からわずかに陽の光が差すだけの薄暗い部屋には、祭りの出店で売っているお面や玩具の類い、御神輿のレプリカ等…


「こんな物保管する為にわざわざ倉庫借りてるのか…祭は・・・」


「社内で『お祭り男』って言われてるのも頷けるわね…」


しかし、これらの物は単なる祭の趣味の範疇で、これでは祭が産業スパイだという証拠にはならない。


「きっとこの中に依頼の手掛かりとなる物がある筈だ!もっとよく探してみよう」


4人は、手分けをして部屋中の捜索を始めた。


すると、お面が並んで括り付けられている板の裏側に、お祭りとは関係の無い機械の様な物が有るのを、てぃーだが発見した。


「シチロー!これっ!」


その小型機械の脇には、あの『スーパーティッシュ』のロールがセットされている。
どうやら、この機械を使って、『スーパーティッシュ』から何かを作っているようだ。


「やっぱり、祭の奴『スーパーティッシュ』をスパイしてここで何か作ってやがったんだ!」


「この機械が、何よりの証拠ね!」


これで、祭が花神王子製紙をスパイしていたのは確実となった。


祭の尾行には失敗したものの、こうして動かぬ証拠とアジトをつきとめる事が出来たのだ。


「あとは、祭りのバックにいる黒幕をつきとめるだけだ!」