森永探偵事務所にしては、今回はずいぶんと順調な展開である。
「なに!君達、その男の顔を見たのか!…一体誰なんだ?」
産業スパイの正体が気になる花水は、シチローに詰め寄った。
「名前はまだわかりませんが、顔はハッキリと見ました!
では、オイラが似顔絵を描いてみましょう…」
そう言ってシチローは、ポケットから手帳を取り出して開くと、無言でボールペンをサラサラとはしらせた。
「………」
そして暫くの沈黙のあと、似顔絵を描き終えたシチローが、ボールペンのノックをカチンと鳴らしその手帳のページを花水の顔の前に突き出した。
「出来ました!こんな奴です!」
(`_´)
「そんなんでわかるかあぁ~っ!」
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