シチローは置いてあったトイレットペーパーを
1つ持ち出し、その場を離れた。


「ティダはどこに行ったんだ?
お~い!ティダ~~!」


「シチロ~~!」


程なく、トラックで敷地内を一回りしてきたてぃーだが、タイミング良くシチローの前に現れた。


「やっぱり置き場は、あそこ一カ所しか無かったわ。シチロー、何かわかった?」


「よく聞いてくれた!
これ見てくれよ♪」


自慢げにシチローは、手に持ったあのトイレットペーパーを、てぃーだの前に差し出した。


「ちょっと待ってシチロー…あれ、スゴイ車!」


少し得意気にこの手掛かりの品の解説をしようとしたシチローの出鼻を挫き、てぃーだが会社の正面玄関を指差して声を上げた。


そこには、どんなセレブが乗っているのだろうかと思わせる程の超豪華な黒塗りのリムジンが止まっていた。


「スゲーな…誰が乗ってるのかな?」


そのリムジンの運転手が降り、外からゆっくりと後席の方にまわると、両手を添えてそのドアを開ける。


「あ…あれは・・・」


黒塗りのリムジンの後席から降りて来たのは、会長、そして子豚とひろきだった!


「あの2人!なんで
“VIP席”になんか乗ってんだよ!」