「え~っ古新聞、古雑誌等ございましたら~こちらから取りに伺いますので~一言おかけ下さいませ~!」


「これじゃあ、『接待ゴルフ課』の方が良かったかも…」


エアコンの壊れたトラックで街を回り、既に荷台に満載の古新聞を回収したところで、シチローは思い出したように呟いた。


「考えてみたら、スパイを捜すのが目的なんだから、こんなに必死に集める事なかったな…」


助手席に座るてぃーだも、タオルで汗を拭いながらシチローに賛同した。


「そうそう!これだけ古新聞集めりゃ充分でしょ…早く本社に帰りましょう!」



そうして本社へと帰って来たシチローとてぃーだは、入口をくぐり抜けてから辺りをキョロキョロと見回した。


「ところで、この古新聞はどこに置いたらいいんだ?」


回収した古新聞の処理方法までは説明されてなかったシチロー達は、敷地内をグルグルと回り、古新聞の置き場を捜す。


すると、丁度会社の裏手にあたる場所に、シチロー達が乗っているトラックと同じ型のトラックが止まっているのが見えた。


「あそこにトラックが止まっているわ…あの辺りでいいんじゃない?」


「そうみたいだな…じゃあ、あそこに下ろそうか♪」


シチローはバックでそのトラックを先に止まっていた車の横に付け、運転席から降りて荷台の古新聞を下ろそうとした。


その時。


奥の方から、1人の男が何か喚きながら、こちらへ走って来た!