私は女を投げ捨て、俚玖からウエットティッシュをもらい、手を振いた。

すると、どうやら相手側が怒ったようで
総長になにかを叫んでいた。


「ちょっと煌月!あんな女早く
潰してよ!邪魔!」


『邪魔』・・・その言葉が私の中で
重くのしかかるようだった。


「きゃ!」


突き飛ばしたのは捕まれていた総長、
今までの顔つきとは全然違う。
何かを決心したような感じだ。


「てめぇそれ以上言って見ろ。
今まで黙ってやってた分、ここで返すぞ」

「な!私は姫よ!あんなクズどうでもいいじゃない!」


女は真白を指差しながら化粧が崩れるほど顔を歪ませていた。

あれはもうパンダね・・・てか、同じにされたパンダが可哀想になってくるか
ならパンダ以下ってことでいいかな?


「あんたまだ見てないわけ?
あの子の肩には朱雀に守られている蝶がいるのよ。それをつけたのはあそこの若頭、
その意味教えなくてもわかるわね?
あんたがどれほどあの男の女になりたいかなんて知ったことじゃないのよ、
あんたじゃ、あの人は1目だって見ないわ。」


例えあの人がこいつを選んだとしても
私は認めるもんですか!