ー side凪穂 ー


さっきから喧嘩ばかりの若頭は掘っておいて、今は私の親友のことだ。
こんな奴らに傷つけられたですって?
全国も落ちぶれたものだな・・・


私からしてみればまだまだ餓鬼のこいつらでも、翠と橘さんの大切な族でもある。
少しは同情なんて・・・かけてる暇はないか。


私は横たわってる真白を見つめた後、すぐに前に視線を移した。
そこには、怯え隠れる姫・・・
こんな事ぐらいで怯えられるなんて、
それでも族の姫かよ・・・


「あまり怒ると真白が起きちゃうから
静かに早くわかりやすく話してあげる」


私は前に進み『朱雀』側の姫の胸ぐらをつかんでやった。

周りは慌てているものの助けようとはしないのか?
ひねくれたやつらだな


「あんたさ?姫だから先代の隣に座って言い訳ないでしょ?そんな鼻がもげるほどの臭いかましておいてやめてくれる?
私の親友がそんな臭いになるの嫌だから。
そこのあんたもだからね?
自分だけ助かったとか思ってんじゃねぇぞ」


あまり現役の頃の殺気は出せてはいないけど、怯えるぐらいはだせたか?
まぁそりゃあそうか、顔は真っ青だしね