言ってる意味がよくわからなく、俺たちは多少困惑していた。
「貴方達に裏切られたおかげで
私は新しい兄や弟・・・それに、
拓哉や陽希・・そして、莉月にあうことができたんですから」
先代を優しく見つめ頭を撫でていた真白は
こちらを見てからまた微笑んだ。
「見ない間に背が伸びたね・・・優夜(マサヤ)」
そんな奴の名前を聞いたのは初めてで
あたりを見渡していると、
俺達の幹部の1人が真白に近寄っていった。
「真白・・・よかった」
「なっ!お前どういうことだよ!」
俺達の総長である、橘煌月が叫びながら
『優』に近づいた。
いや、それもただの偽名だったか・・・
今は優夜だったな。
「俺はもともと真白のことを守る為にいたんだ。今までいたのだって真白に頼まれてたからだ。そうじゃなきゃ今すぐ俺が潰しているところだ。その証拠に・・・
俺はお前達と会話すらしたことがないだろ」
確かにな・・・俺達はしゃべらないだけだと思ってそのままにしていた。
いつか喋ってくれるだろうと勝手に思って何も知ろうとはしなかった。
それが正しいと思っていたから・・・
「どういうことだよ!兄貴!」
「・・・ハァ、拓哉『朱雀』も落ちぶれたな?」
「そうだねぇ」
くだらないというように、先代は真白の髪をずっと弄りながら、それをただ見つめている拓哉さんに、真白を守るように
後ろに立っている陽希さん・・・