今までの奴らは精神的にヤバい状況で
入院して監視していないとすぐにでも
自殺をはこるといわれたらしい・・

この女の何がよくて姫にしたのか
俺には理解できない。


「あのさぁ・・・俺今、機嫌が悪いの?
見ればわからないかな?
女を運ばなきゃなんないわ、今日は
女は入れるなって先代からの命を破った
馬鹿はいるわで機嫌悪いの?
わからねぇのかよ、くそ女」

「ヒッ!」


いつもの拓哉さんの殺気に俺たちでもビビってしまった。
そんなとき、この雰囲気には合わない声がそこに響いた。
 

「たく・・や・・・」

「っ!・・・真白ちゃん」


焦りながら後ろを振り返る拓哉さんを呆然と見つめていた俺達はその光景を見ていることしかできなかった。


「駄目ですよ?・・女性に・・そんな扱い・・・もっと・・優しくしないと・・・
そんなに・・怒るなんて・・貴方らしくもないですよ?」


眠いのか途切れ途切れに言う真白の言葉に
拓哉さんの殺気はどんどん
落ち着いたものと変わり、俺達は
安心していた。


「真白ちゃん、こいつらは」

「わかってるから・・・もういいんだよ」


困ったように拓哉さんは真白のことを見ていた。


「確かに私は許さない・・・
やっと見つけたと思った居場所を
くだらない奴らのせいで私は失った・・・
誰にも信じてもらえず、ただひたすらあの時の目から逃げるだけだった・・・
だけど、今はそれでいいかなって思った」