「戻ってこい真白、」
「莉・・月」
真白は何のためらいもなく先代の方に
歩みを進め、優しく抱きしめられていた
あんな優しそうな先代を見たのは俺達でも初めてで、どうしてなのかも
いまいち理解はしていない。
何かを耳打ちした先代を微笑みながらみた
真白はそのまま眠った。
「おい、そいつを運んでおけ」
「はぁーい」
いつの間にかいた拓哉さんに女を運ぶことを任せ、先代は真白を抱えながら
再び部屋に入ろうとする。
「皚とか言ったな、詳しい話は上で聞こう。幹部だけこい、それと・・・そこに
隠してある女共もだ」
怒りを含んだその声に俺達の背中からは汗が流れた。
だませるとは思っていなかったから
最初から気づいていたんだ。
「早く来い」
機嫌の悪い先代をこれ以上怒らせまいと
俺達は急ぎ足で先代達の
跡を付いていった。
中に入れば、草薙組の若頭が女を足の間に座らせている。
その、女は何故か不機嫌にこちらをにらんでいた。
先代といえば、眠っている真白を間に寝せ、片足で真白のことを支えていた。
「じゃあぁ~私はここかいいなぁ~」
姫である由実が、先代の隣に座ろうとしていたところに、拓哉さんが入ってきて
はねのけた。
「きゃ!ひっどぉ~い!私は姫何だから
先代の隣は当たり前でしょ!」
正直、俺はこいつが嫌いだ。
自分のことしか考えていない女。
こいつのせいでどれだけの女が病院送りになったのか・・・