このまま本当に殺してしまうのか?
そんなことさせていいのか?
違う・・・そんなことしたら、もう
戻れなくなる。

俺が止めに入ろうとすると、後ろの方から声が響いてきた。


「闇猫」


真白の肩がゆれ、後ろの方に視線を向けた真白の目にはさっきとはちがく、
怒りと憎しみ、そして恐れを感じた。


「皚(シロ)?」

「あぁ・・・探していたよ」


真白が皚と呼んだその男は、白い髪を肩より少し長めで、結んび左目を隠していた。


「お前が無事でよかったよ」


男は優しい声音で話、真白に近寄っていく。

近くに寄ってきた男はそのまま真白を抱きしめ、頭をなでた。

「戻ろうか?ここがキツいのなら」


そう言った男の言葉に返事をすることなく
下を向いていた真白は
ずっと・・・泣いていた。


「真白、」


その声にずっと下を向いていた真白が
ようやく、後ろを向いてくれた。

後ろにいる人物を見ると、真白は安心してように、顔をゆるませ、男から離れた。