ー side白葉 ー


今目の前にいるのは本当にあの人なのか
俺にはまだ信じられなかった。
でも、あいつが自分から『姉』だと言ったんだ。
それを嘘多とは思えない。


「私は関わるなと言ったはずですが、
それすらもお忘れになられたか」

「守るわけ、ないでしょ?」


首を可愛らしくコテンと横に傾けたが、
俺たちからしたらただの悪魔にしか思えない。


「おい、どういうことだよ!」

「あいつは誰なんだ!」

「うるせぇ!黙ってろ!」


今は誰とも話したくない・・・
あいつがいるまえでなんて、
馴れ馴れしくできるわけがない!


Arrivederci・・・イタリア語で『また、会いましょう』
あれは俺とあの人しか知らない言葉だ。
何かあったりはぐれたりしたら、
この言葉を頼りに探そうと言っていた。
それをあの人は知っていたとしたら・・・
だけど、髪も目も俺が知ってる頃の姿じゃない・・・

信じてもいいのか?


「私は・・・お前を許さない」


そう言った真白は、素濃い早さで後ろに回り、あいつのことを壁に叩きつけた。


「言え、誰に言われた」

「キャハハハ!誰がしゃべるかよ!」


真白の目は怒りしか移していなく、
近くにあったガラスの破片をもち、あいつの首に当てた。