目を開けると、カーテンから零れる朝日が
目に入ってきた。


あたりを見渡しても何もなく部屋には
私が寝ている黒のベットに
黒の机、黒のカーテン、ほぼ黒で
統一された私好みの部屋だった。


ここは何処なんだろうか・・・
あのお兄さんはどこに行ったのか・・・
また売られたのか・・・
ならここは新しいご主人様の家なのかな?


立とうとしたがどうにも身体に力が入らず
その場に座ってしまった。

    ガ チ ャ ッ

ドアの方を向くと慌てて誰かが入ってきた
その人はとても・・・綺麗な瞳をしていた

それが、彼の第一印象・・・


「大丈夫か?」


そう言って手をさしのべてくれた
男の人の手を握らず、私は自力で立ち上がった。


「迷惑をかけてしまいすみません。
ご主人様」

「え?ご主人様?」

「違うのですか?貴方は私の新しいご主人様ではないのですか?」


私がそう言うと、昨日助けてくれた男の人と同様に
今にも泣きそうな顔で私を見ていた。


「俺はお前のご主人様じゃない。」

「では、私がここにいる意味はありません
殺して下さい。」

「っ!」


殆ど表情がないままそう言った私に
男の人は驚いていた。

だが、正直・・・私には何を驚いているのか分からなかった。

役に立たなければ捨てられる・・・そんな中で私は生きてきたから・・・