ー side椎名 ー
俺はやっと探し続けていた娘を
見つけることができた。
組長と唯吹さんの大切な娘・・・
でも、そんなことを覚えてるはずもない
お嬢の姿は見ることも耐えないほどの
痣やら傷で、今すぐにでも目をそらしたいと思っていた。
俺はこのままだと不味いと考え、
一番信用できる人の所に
車を走らせていた。
あの人なら、必ず救ってくれるから。
俺にはそう確信できていた。
なんの証拠もないけど、他の誰かに
託すよりだったら、あの人の方が
いいのだと考え、俺は組長に連絡をした。
「椎名です。すみません、組長、
お嬢は見つけましたがこのまま
そちらに向かっても無理だと思います」
俺が今の状態を話すと
壁にあたったのか、すごい音が聞こえてきた。