「おいで、真白」
私の方に向けられた莉月の手を私は拒むことなく、掴んだ。
外にでると莉月が私の腰を抱きしめる。
「んで、何を買うの?」
拓哉が聞くとまずは服から買うそうだ。
知り合いの店なんだとか・・・
そして何より、ここに来てから他の人の視線がすごい。
それに・・・
『何よあれガキじゃない』
『ただのブスじゃない!』
『どうせ身体で近付いたんでしょ?』
そこら中から聞こえてくる私にたいしての不満の数々・・・
大丈夫・・・こんな事は慣れてる。
慣れてる?
私は前にもこんな事があった?
そうだ。私は・・・この目を知ってる。
嫉妬、嫌悪、侮辱、挙げ句の果てには般若のような顔で睨まれてる。
あの人、メイクしない方が可愛いのにな…
とか、
あの人、髪、黒の方が似合うよね?
など、
そんなことを考えていると、目当てのお店についたようだ。
中にはいると、殆どが黒で統一してあり、
服も黒や紺のものが多く私好みのお店だった。