いきなり不機嫌になった私をどうしようかと戸惑っている莉月が
今にも泣きそうになったので、怒るのはやめた。


「ごめん。昼食にしようか。
今日はねぇサバの味噌煮だよ!」

「味噌煮・・・」


莉月は味噌煮が大好きだからね。
後ろに尻尾が見えるよ。


作り終え、離していたのもあり昼食といえよりは夕食になってしまった。
テーブルに持って行くと莉月は
誰かと電話していた。


仕事の内容かな?


電話を終え戻ってくると、真剣な顔つきで話し始めた。


「明日、俺の親父達がお前に会いたいだと」

「莉月の?」

「あぁ・・・どうする?」


莉月のご両親か・・・そういえばまだ会ってなかったな。
挨拶はちゃんとしないと・・・


「それと・・・今までにあったことを
教えてほしい・・・そうだ」


今までのこと・・・
あいつらのことも言わないといけない


「真白、おいで」


手を広げた莉月の胸に私は収まった。
シトラスの香りが私の心を落ち着かせてくれる。


「大丈夫だ。お前を離したりはしない。
お前がいてくれるなら、今の地位なんざ捨てたっていい。」

「フフ、それをとったら何が残るの?」

「お前」

「何それ」


そうだ。不安なのはわたしだけじゃない。
莉月だって不安なんだ。
大丈夫・・・もう怖くないよ。