「莉月?そんなに睨んだらだめ。
すみません。怪我は大丈夫ですか?」
「へっへい。お気遣いありがとうごさいます!」
「いいえ。莉月のことよろしくお願いしますね?」
優しく微笑む真白さんはこの時事務所にいた奴らを手懐けていたかもしれない。
「チッ、もう行くぞ」
「フフ、わかった。ではまた」
一度お辞儀をしてから、若に腰を抱かれながら出て行く真白さんを、
誰もが見入ったかもしれない。
「あの若が・・・」
「何者なんだ」 「どこの組のお嬢だ」
そんな言葉が飛び交う中、拓哉は面白そうに言い放った。
「あの人は若が探し続けていた若の唯一の女だ。あぁそれと、いっとくが真白さんは堅気だぜ?」
笑いながら言った拓哉を組員の奴らは唖然としながら、見送った。
あとを追うように外にでて、
運転席に乗る。
「どうかされましたか?」
「いいえ、問題ありませんよ?」
「そうですか」
「真白?」
「ん?」
真白さんに寄りかかりながら
髪を弄っている若を撫でながらほほえんでいる真白さんは、多分自分の気持ちに気づいたからだろうか・・・