「真白?」
「臭い・・・」
一言そう言った言葉を若以外の全員は理解したのに・・・
「なんでだ」
と、自分の臭いを嗅ぐ始末・・・
鈍感すぎませんか?若・・・
「莉月~お前、さっきの馬鹿女の香水臭せぇんだよ」
拓哉が助け船を出すと、若は自分の着ていた服の臭いを今度は全体を嗅ぎ
顔をゆがませた。
そして、着ていた上の服を全て脱ぎ、
組員が持ってきていたYシャツを着た。
「真白?」
若が名前を呼ぶと俺の後ろからでて、
若の胸に飛び込んでいった。
「すまなかったな」
「やっぱり莉月はこの匂いがいい」
目をつむりながら気持ちよさそうに、若の匂いを嗅いでいた真白さん。
やっと笑顔になってくれた。
「あ、さっきの人は?」
「チッ、他の奴は考えるな」
「確かに莉月の事だけ考えてるけど、
あの人は莉月にとって大切な家族でしょ?
心配するのは当たり前だよ?」
この人はきっと・・・天然なんだな。
そこにいた、誰もが思ったことだろう。
見てみろ。女なんか興味のない若が
耳を赤くしている。
「それで?怪我した人は?」
「おい」
「へっへい!」
でてきた、組員に若は睨みをきかせていた。