「早く大きくなたってくれればいいね?」
「あぁ・・・」
「見つけられるよね?大切な人」
「そんなのすぐに、わかる」
莉月いわく、それは雰囲気だとか、
一目でわかるとか、
まだ子供にはわからないことを
2人にいうから、いつも悩んでいた。
「大きくなれば、見つけてくれる」
莉月は態度にはださないものの
私よりも子供のことを
心配していた。
自分のように、失敗はしてほしくない。
あのときの悲しみを感じてほしくない。
だけどね莉月・・・
私はあのことがあったからこそ、
今の私がここにいられるんだと考えてるんだよ?
捕まっていたから、我慢していたから
私は凸凹の道を抜けて、
莉月に会えたんだと思ってる。
「困難があるからこそ、幸せになれる」
「そうだったな」
これから先、何があっても、
その光が途絶えることはない。
人には生まれたときから示された
道があるから。それがどんなことでも
必ず光に照らされる。