なんて、俺が心配する資格すらねぇよな、
もう、忘れているだろうか・・・


     プルルルルルルル・・・


静かな部屋に響き渡った
俺の電話の着信音・・・
ディスプレイには『煌月』とでていた。


なんだ、『真白をもらう』とでも
言いたいのか・・・


「なんだ・・・」

「兄貴!何してんだよ!」


でるないなや、煌月に怒鳴られた俺は
少々イライラしながら、
続きを言おうとする。


「真白が消えたっ」


その言葉に俺の目の前は
真っ暗になった。


そんなことがあるわけもないだろ?
また、あいつは消えたのか?


「部屋にメモが残ってるけど、
最後の所だけは読めねぇんだよ!
兄貴ならわかるって・・・」

「は?」


俺ならわかるってどういうことだよ。
他の奴にわからなくて
俺にわかるわけねぇだろ!


「真白は・・・二週間前からこもりっきりだった。学校にはきたけど
俺達のことは避けてたし、部屋は頑丈すぎて誰も入れない。ただずっと、
泣いてたんだよ。」


泣いてた?
なんで・・・泣いてんだよ・・・


「真白が笑顔になるのは兄貴の所しか
ねぇんだよ!
簡単に手放すんじゃねぇよ!馬鹿兄貴!」


あぁ・・・俺は何をしていたのか・・・
こんな事をしてる間にも、
真白はずっと1人でいたのに・・・
俺は・・・なにもできないのか?