ー side莉月 ー


「お前・・・いい加減にしやがれ・・・
流石の俺でもキレっぞ!」


俺の胸ぐらを掴みながら叫んでいる拓哉は
ただ、真白のことだけを考えてる。
そりゃあ俺だって考えてるさ・・・
でも、もういやなんだよ・・・

あいつが目の前から消えるのは
どんなときだろうと嫌なんだ。


「てめぇがそんなんでどうすんだよ!
もっと不安になってんのは真白ちゃんなんだぞ!一度でも、話を聞こうとしたことがあったのか!」


聞いてはいない・・・確かにあのとき、
真白は俺に何かを言おうとしていた。
でも、真白はなんだか楽しそうで、
陽希と一緒に来たから・・・


「真白ちゃんは、一週間前に学校に行った。
今は学校から通ってる。
揃ってるって言ってたからお前が使ってた空き教室のはずだぞ」



それを聞いて俺は何をすればいい
自分から真白から逃げてきたのに、
今度は近寄っていくのか?
そんなの自分勝手すぎるだろ・・・


「若・・・あの日、若がまだ寝てる頃
真白さんは下に来て下っ端の奴らに
挨拶をすると行って来てくれました。
それが誰のためか、わかりませんか?」


珍しく怒っている様子の陽希に
戸惑うが、言ってることの意味がわからなかった。


誰のため?そんなの自分のためだろ
今までの女なんてその程度の奴らだった。
下っ端にも気に入られようとしていた。
だけど・・・真白は・・・