もう二度と帰ってこないのではと
思っていた。
いや、もう会えないかもしれない。


「おい、何してる」

前を向いてみると煌月が立っていた。
その後ろにはこの前も見た人達
たしか、『朱雀』の幹部だったはずだ。


「たく、大丈夫か真白」

「う、うん」


手を出してくれた煌月の手を掴もうと
手を伸ばしたとき、
優夜に止められてしまった。


「だめ、若から頼まれてる」

「っ、・・・だ、大丈夫だよ・・・
莉月なら・・気にしないから」

「え?」


莉月はもう私のことなんて考えてない
私・・・だけだったのかな?


「・・・姉さん、ちょっといい?」


今度は後ろにいた白葉が話しかけてきた。
何か迷ってるふうだけど、
何かあったのかな?

私が白葉の近くに行くと、言いづらそうに
頭を書いていた。


「俺さ、親父の所にいるんだよ」

「親父?」