そこから私は、優夜に私ができること
全てを叩き込んだ。
技術も勉学も、真面目だった優夜は
すぐに私に追いついてきた。
これには皚も驚いていたが、
私は一つだけ不安に思っていたことがあった。
この子には人殺しをしてほしくない。
私がこの子に教えたのは
喧嘩程度のことだけだった。
自分のみさえ守ってくれれば、
私はいいと思っていたが、
優夜は、私と仕事をしたいと言い続けた。
だから私は少しだけ、優夜から
自分をとうざけ、依頼されていた
『朱雀』のことにも関わらせたくはなかった。
けど、『朱雀』と関わってみて、
あぁここならって期待を胸に、私は
優夜を『朱雀』に入れようと決意した。
まぁそこでも、私は最終的に
優夜とはいられなかったけど・・・
今思えばそれが間違いだった。
自分が感じて初めて人の気持ちがわかる。