「陽希・・・俺は莉月を探してくるから
朝には戻る。真白ちゃんのこと頼んだぞ?」

「お前にいわれずともやるわボケ」

「たく、あいつはなんなんだ」

「若とは、何か話したのか?」

「いや、話してはいないな・・・ただ」


何かを考え込んでいる拓哉は
ハットした感じに部屋を飛び出していった。

気にせずそのまま真白に視線を向けた陽希は早く帰ってきてほしいことだけを
願い、ながら真白の手を握っていた。




 ー翌朝ー



目を開けると、いつも私を包んでくれている莉月はいなく、陽希が手を握りながら
眠っていた。

私は握っていた手をそっと離し、
毛布を陽希にかけてあげた。


寝室をでて、私は洗面所に向かう。
そこには当たり前のようにある鏡・・・
そこにうつる私・・・


私には何もなかった・・・ただそれを
莉月が教えてくれた・・・
そういえば、莉月のこと、何も知らないな・・
て、知ることすら許されないか・・


私は汚れているから・・・
莉月には近づいたらだめなんだ。