上に上がってくると案の定、拓哉がボロボロになりながら、
床に寝そべっていた。
縋ってきた拓哉は陽希に任せ、
私はソファに座っている莉月に近寄った。
「莉月?」
「・・・・」
「莉月、ごめんね?会わせたくない人がいたから・・・」
「・・・・」
「あの人とあったらきっと莉月は悲しむから・・・」
「・・・・」
何度話しかけても黙りの莉月・・・
怒ってるよね・・・黙って出て行っちゃったし、でも、一応メモは残していったから
問題はないと思っていたのに・・・
「ねぇ・・・莉月?外にいたのは・・・」
パ シ ン ・ ・ ・
「え?」
私が莉月の頭を撫でようとすると、
莉月にはじかれてしまった。
「莉・・・月?・・・莉月!」
私が何度も名前を呼んでも、莉月は振り向くことなく、外に出て行ってしまった。
どうして?私何かしたの?
あの女の人は莉月が呼んだの?
私は余計なことをしたの?
なら、言ってくれてもいいじゃない・・・
「真白ちゃん・・・陽希、今日はここにいろ、あいつは俺が何とかするし・・・」
「いいんです・・・そのままにしてあげてください・・・」
「だけど!」
「私が・・・いけなかったんです」