「この・・・覚えてなさい!絶対あんたを
殺してやるわ!」
叫びながら出て行った女を私はただ
冷めた目で見ることしかしない。
これから何かが起こる。きっとその時、
私は元に戻ってしまうかもしれない・・・
その時の私にはその考えしかなかった。
「大丈夫ですか?真白さん」
「何ともありませんよ?大丈夫です。
さぁ陽希、早く莉月の所へ行きましょう。
拓哉がボロボロですよ?」
情けない自分をもう知られたくない。
迷惑なんてかけたくない。
私は、ここの人達に嫌われたくなんてないんだ。
「陽希さん、真白さんはいったい」
「俺にもそれはわからねぇよ・・・だが、
あの人はどこかに消えちまいそうだ。
そんなことがあったら、若が壊れる。
いいか、全員に伝えとけ、真白さんは
守り抜け・・・何があってもあの人のことを信じるんだ」
「へいっ」
私が行った後にそんなことを言ってくれていたと知っていたら、
私は、もっと何かを考えていたかもしれない・・・