「暇なわけないでしょ!」
「そうなんですか、私はてっきり
貴方みたいな人を助けるほど暇な人がいるんだと思ってしまいました。・・・
何か間違いでもおありで?」
私が話していると、女の顔はどんどん険しくなっていく。
自分がバカにされたことに腹を立てる。
さっきは人にあんなことを言っておきながら自分のことになると
怒るなんて・・・本当に、自分勝手な人だな・・・
「他人を馬鹿にした貴方が、自分を馬鹿にされて怒るなんて、最悪な人ですね?」
「いい加減にしなさいよ!あんたみたいなかわいい子ぶってる女なんて
すぐに捨てられるんだから!」
『捨てられる』今まではそれが当たり前だった。
今度は誰に変わるのか、今度はいつ捨てられるのか・・・そればかりを
恐れていた私でも今はそんな事を
恐れる心配なんてない・・・だって・・・
「私はもう、その若に縛られてますから・・・もし、捨てられることがあれば、
私は、莉月を迷わず殺しますよ?」
そのことを言うのに、躊躇いも何もない。
本当の無のように感じた。
愛してるからこそ、私はきっと裏切られれば莉月を殺してしまうだろう。
そして、自分も死んでしまう。
こんなこと思ってたら『重い』と思われてしまうかもしれないけど、
それほど、私はあの人を愛してしまったから。
なんて言うんだろうね・・・こういうの