ここは莉月の所で私なんかが頼んでいいことじゃない。
「言ってあげて?」
珍しく拓哉がお願いしてきたので
それを承諾し、皆に向き直る。
「そうですね、康さんは陽希と一緒に
私の所へ来てください。
他のみなさんは拓哉が失敗した時のために
こちらの方で見張りをお願いします。」
「「「「へいっ」」」」
すぐに取りかかってくれた皆を
みながら私は固まってる女に向き直る。
「それでは、話をしましょうか?」
「は!?なんなのよあんた!ちょっと!
どうにかしなさいよ!」
女が騒いでいても耳を傾けない2人に
怒りで顔を歪めながら
近づいてこようとする。
そんな女を私は近づけまいと手で制した。
「どけよ!邪魔なんだよ!」
捕まれそうになった私を庇い、陽希が女の手をつかんでいた。
「陽希!」
私がすぐさま女から陽希をとうざけ、
掴んでいた手をハンカチでふく。