気が付けば朝になっており、
珈琲を淹れにキッチンに行くと
寝室から物音が聞こえてきた。

もしやと思い寝室に入ってみると
案の定、真白が起きていた。

身体に力が入らなかったのかその場に座り込んで黙っていた。


「大丈夫か?」


怖がられないようにソッと手をさしのべ
立たせようとすると、
真白は自力で立ち上がった。


「迷惑をかけてすみません
ご主人様」


真白が口にしたご主人様という言葉に
俺は驚きを隠せなかった。

どうやら、今までずっと買われ売られの
繰り返しでここが
次の家だと思ったらしい。


俺はご主人様じゃないと言うと
殺して下さいと言ってきた。

その表情は無で
真白はいままで・・・どんな環境で
育ってきたのか・・・
どれほど辛い思いをしてきたのか・・・
俺には考えられなかった。


ここをでたらどうやら死にに行くようだ。
なら・・・そんなことをするぐらいなら




         


       




          俺のものにする。