玄関のドアを少し開けて、

「はい、携帯。」

と差し出す。

そうすれば、
ドアをがっと開けられて、


「柚ちゃん、感じ悪いー(笑)」

って!!

あのねー!!

いや、まぁ、確かに。

「……ごめん。」




「あはは。嘘、嘘!!柚ママ帰ってきた?」

「いや、まだ。ご飯食べてくるって言ってたし。」

「だよねー車まだ、ないもんね(笑)」


って
分かってるんなら、聞くな!

「んじゃ、またね。」



そう言ってドアを閉めようとしたのに……


動かない。

龍之介がドアを掴んだまま。



「何?」

「いや、柚ちゃん、どーしたの?」

……。

どうした……。

どうしたって……。


私、本当にどーしたんだろ。