side柚


「……ごめん。」

もう、そう言うしかない。

そのまま沈黙が流れる。

龍之介と2人でいて、こんなふうに気まずい沈黙とか
今までなくて。

あの告白は
冗談で、

私が、断っても、
そんな気にせず、
また、今まで通り、普通に戻れると思っていた。



無理……なのかな。

それを考えると、

心がざわつく。

その理由は、……考えたくない。



お会計をして、
外に出ると

龍の携帯に母親から連絡があった。

電話に出ている龍から離れ、
1人自販機の前に立つ。

ジュース買おうかな……。

お茶……は家帰ればあるし。
でも、ラーメンの後、ジュース……太るかな。


そう立ちすくしていれば、

「買わないの?」



後ろを振り向けば

「あれ。染谷君?」

1年で同じ委員会、
そして今年同じクラスになった比較的喋る男子。