今馬鹿と言いました!?


確かに馬鹿ですけど?
忘れないように机の横にかけた楽器忘れちゃうほど馬鹿ですけど?
勉強も良く言って中の下ぐらいですけど?


だからと言って見知らぬ君に言われるほど、落ちぶれちゃあいないと思いますけどね。





「つ−か誰ですか君。あたしの楽器どこにやったんですか?何であたしの席座ってるんですか。」





あたし軽く急いでるんですけど。
そう言った瞬間目の前の少年は、ははっと歯を見せて笑い出した。

あ。
何かちょっとだけ格好良いかも。




「素で言ってる?南さんの席はあそこ。ここは今日から俺の席。楽器もそこにかかってるやつだろ?」




と少年は廊下側の一番前の席を指差した。