その事を南となっちゃんに言ったら



「恋だね」



と声を揃えて言われてしまい、なんだか少し恥ずかしくなった。



私は名前も知らない先輩に、恋をしてるのだろうか。

そう言えば、図書室以外で先輩の事見たことないかも。

あの人はいったい誰なんだろうか……







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――


ある晴れの日の放課後、いつも通り図書室に来た私は、定位置に座ってから10分もしないうちに外の日差しの暖かさに負け、本も開いたまま寝てしまった。





気が付いた時には、辺りはもうオレンジ色化していた。随分な時間寝てたらしい。




ちくしょう、今日は先輩見れなかった。
先輩はもう帰った……?




そう思い窓の方に振り向いた瞬間、



「あ」




あ?
まだ私、声出してないよね?


恐る恐る前を振り返ると、そこには一人の少年が本を持って立っていた。

少年は黒縁眼鏡をかけ、少し茶色がかった髪の毛をしている。




「先輩……」