私が行っているこの高校は、とても図書室が充実している。



中学の頃から毎日図書室通いだった私は管理人のおばちゃんとは仲が良く、放課後になるといつも私の相談にのってくれた。

そんなこんなで、この高校をお勧めしてくれたのも管理人のおばちゃんである。


図書館が大きく、しかも成績もそこそこ。共学だし、地元から近いとは言えないが電車一本の30分くらいで着いてしまうお手軽さ。

当時、進路なんて深く考えていなかった私にとっては、条件がそろいにそろいすぎていた。



「惟子、今日も図書室?」


「うん。来る?」


「い−や。惟子の一人の時間つぶしちゃ悪いしね」


「ただ単に南がじっとしてらんないだけでしょ(笑)」


「あはは、バレた?あたしも今日は部活ないから、彰と帰るね。バイバイ」


「はいはい。お幸せに」