年も明け、まだ寒さが厳しい2月のバレンタインデーの少し前。
それは元太が、いなくなる日。
「もっと早く言えよな。お前」
翔くんが元太を肘で小突く。
「こいちゃ俺にまで、引っ越し黙っとりよった」
翔くんは頬を膨らませて、まるで小さな子どものように拗ねていた。
今日は、元太がこの街にいる最後の日。
あたしたちは、元太の家の近くの公園に見送りに来ていた。
「言わんかったんだねーて、言い出せんかったんじゃよ」
元太は気持ち、下を向いている。
「ありえん!」
翔くんはガーッと頭を掻きながら、叫ぶように断言した。
「俺はお前んこと、親友じゃと思ちょったのに!」
「それはお前の片思いだがね。ショウ」
「え!?」
「ははは。冗談じゃよ、冗談」
がっくり肩を落とした翔くんの肩を叩き笑いながらひとり頷いている。
「冗談に聞こえせんがな!」
翔くんは涙目になっていた。
それは元太が、いなくなる日。
「もっと早く言えよな。お前」
翔くんが元太を肘で小突く。
「こいちゃ俺にまで、引っ越し黙っとりよった」
翔くんは頬を膨らませて、まるで小さな子どものように拗ねていた。
今日は、元太がこの街にいる最後の日。
あたしたちは、元太の家の近くの公園に見送りに来ていた。
「言わんかったんだねーて、言い出せんかったんじゃよ」
元太は気持ち、下を向いている。
「ありえん!」
翔くんはガーッと頭を掻きながら、叫ぶように断言した。
「俺はお前んこと、親友じゃと思ちょったのに!」
「それはお前の片思いだがね。ショウ」
「え!?」
「ははは。冗談じゃよ、冗談」
がっくり肩を落とした翔くんの肩を叩き笑いながらひとり頷いている。
「冗談に聞こえせんがな!」
翔くんは涙目になっていた。