「明里?どうかした?」
お姉ちゃんが黙り込んだ私に気付いて不思議そうな顔をしている。
「あ…ううん。私もお風呂入ってくる」
半分逃げるように脱衣所へ駆け込んで扉を閉めた。
嫌だ。
こんなモヤモヤとした黒い感情いっぱいの自分が嫌だ。
私って相当嫉妬深い性格だったんだろうか。
それとも相手がお姉ちゃんだから?
だって桐原さんが、一度は結婚しようとまで思った相手なんだよ。
昔からお姉ちゃんの方が頭も良くて美人で友達もたくさんいて。
私が敵うところなんて一つもない。
昔から…
私がお姉ちゃんに勝てた試しがないんだ。