私は正面から湊君の胸にとびこんだ。 「うおっ!!」 突然のことに踏ん張るのが遅れた湊君は床に腰をついた。 「実花?」 「えへへー。なんかね、今すっごく幸せ」 湊君の胸に顔をうずめたままそう言うと、湊君は私の背中に両腕を回しギュッと抱きしめてくれた。 「甘えたがり。……気付いてたよ。お前がずっと俺に抱き付きたそうにしてたの」 「えっ……!?」 顔を上げると湊君は不敵な笑顔を浮かべていた。 やっぱりバレてたのか……。