「へへっ。実はね、時計本体以外は手作りなんだよ」


「え、まじで?」



手首に巻く部分は、細いレザー4本を編み込んで作られている。

それは私が編んだんだ。


紺色だったり、ベージュだったり、いろんな色があったけど湊君にはブラウンが似合うって思ったからブラウンのレザーを使ったの。



「……ありがと。実花、付けて。俺の手、今片方箱でふさがってるから」


「あっ、うん!!」



湊君の左手首に腕時計を付けてあげると、湊君は嬉しそうにはにかんでじっと時計を見つめる。


すごく喜んでくれているっていうのが伝わってきて、私も本当に嬉しくなって。



湧き上がる衝動に、負けた。