*実花Side*



最近、湊君の背中にめちゃくちゃ抱き付きたくなる。



「いや、まじでそれは無い」


「なんでだ!?メシ食いながらアイスってそんなにおかしいことなのか!?」


「おかしいだろ。少なくとも俺はやったことない」



次の授業は化学。
実験のために教室移動をしている今も、前を歩く湊君の背中に飛びつきたくてたまらない。



「うーむ……困った」



そう小さくつぶやくと、ひょいっと私の右隣を歩いていた若菜が顔を覗き込んできた。



「何が困ったの?」


「んー、湊君に……」