突然真後ろからそんな声が聞こえてきた。

今日はよく後ろから声をかけられる日だな!!



そう思って振り返ると、湊君が小さく笑ってポケットに手を突っ込んで立っていた。



「ちょっと実花、借りるわ」



そう言って湊君は私の手を握りスタスタと歩き出した。

「実花をひとりじめするなー!!」なんていう若菜の叫びを背中で受けとめながら。


湊君に連れられ、到着したのは前に秀君と会話した場所である、屋上前の踊り場。




「……俺に恋したきっかけ言ってた時のお前の内心当ててやろうか?」


「湊君はエスパーでしたっけ?」



冗談めかしてそう言うと、湊君は耳元で囁いた。