「うん、おいしそう!!さすが実花。何やらせても器用だなぁ」


「またそうやってごまかして……。まあいいや。お客様、ご注文は何になさいますか?オススメはネギたっぷり乗せたこ焼きです」



そう言って屋台の前に置いてある、メニューが書かれているベニヤ板の看板を指さすとお母さんは「うーん」と悩みながら看板を見て腕を組んだ。


さあ、ここからが長いぞー。

お母さんかなりの優柔不断だからな。


それを見越しておすすめメニューを伝えたんだけど、意味なかったか。



お母さんがひたすらメニューを凝視して悩んでいる間にどんどん順番待ちの列が長くなっていく。



……並んでくれてる人に申し訳ない!!



「お母さん、先に後ろに並んでる人たちの注文とっていい?」


「あ、うん!!構わないよ!!」