「私を湊君の彼女にしてください!!」



そう言って、本当に嬉しそうに微笑んだ。

それは、ずっと俺が欲しかった笑顔だった。


実花を抱き上げたまま数回その場をくるくるまわる。

遠心力で勢いがついたからなかなかの速さだった。


「えっ、怖い!!落ちる!!」


「誰が落とすか」



おびえて首に抱き付く実花を笑ってから、そっと地面に体を降ろしてやった。



「……湊君」


「ん?」



じっと俺の顔を見上げ、実花ははにかんだ。