「言っただろ。『誰にもやらねーよ』って。誰かに渡してたまるか」


「奈津美ちゃん…は……?」



ん?なんで今奈津美の話?

……ああ、俺が奈津美に告白されたからか。


もしかして、俺と奈津美が幼なじみでかなり親しかったから実花は『自信がなかった』とか言ったのか?



「バカ。俺が好きなのは実花。自分が俺にかなり好かれてるっていう自信持て」



そう言ってから、一瞬。

ほんの一瞬だけ、実花の唇に自分の唇を触れさせた。



ギョッとする実花。

そんな実花を見て、俺はまた笑う。